将軍塚の帰り道、心霊スポットの話になった。
びびりながらも、車内は怖い話題へと変わった。
「かなみの話、めっちゃ怖いで!」
「え?なんなん?かなみちゃん霊感あるん?」
信じてくれない人も多いが、私は少し霊感があり、5歳の時に人形による金縛りがあってから、何度か心霊体験をしていた。
愛美とは昔からその話をしていたため、その話題が向けられ、私は自分の体験を話したりしていた。
その流れで、とある山へ行くことになった。
そこは心霊スポットでもあり、夜景が綺麗な場所でもあるらしく、深夜2時近くというのに、私たちはそこへ向かった。
山道、ガードレールもたまに途切れていたり、崖っぽかったり、井戸があったり墓石のような石があったりと、雰囲気はすごかった。
そんな山道でも、なんなく運転してしまう駿哉。
この時から私は、駿哉の運転に惚れかけてました。
「…かなみ、見えてない?」
愛美に声をかけられる。
私は、なるべく外を見ないようにしていた。
「…そーやかなみちゃん…」
「見えてもゆったあかんで!」
前の席の2人も、私に声をかける。
「大丈夫!ゆわへんよ(笑)」と冗談っぽく返しながらも実は怖かった。
途中で道がわからなくなり、案内図の前で止まって、前の2人が車を降りる。
「えー!降りんの!?怖い!」とパニクる私たちに、「乗っとき(笑)」と笑いながら車を降りた2人。
真っ暗でシーンとした車内で、くっつく私と愛美。

