「名前つけよーや!」
「…太郎!」
「太郎(笑)(笑)」
愛美のとっさのネーミングに笑いながら、2人で太郎を追いかける。
ちょうど彼らの傍を通ったため、声をかけられる。
「どしたん?」
「太郎!」
「太郎?(笑)」
タバコを吸い終わった2人も、私たちのあとをついてきた。
太郎は、駐車場の方へ戻っていき、それを追いかける。
「太郎ー」
「どこ行くんー」
太郎は、トテテテテと歩きながら、夜景スポットへの道の隣にある、お寺のような所へ繋がる方へ歩き出した。
なんだか不気味な道。
周りは木々で、奥に1建の小さな家とお寺のようなものがあるだけだった。
「…え、なんか怖…」
「太郎〜」
太郎は、時々立ち止まって、こちらを振り返る。
おいでよ、と呼んでいるような気がした。
「ちょ…どーする?」
「行ってみる?」
とりあえず、男の子2人にもついてきてもらったが、途中で怖くて引き返した。
あの道は何度行っても不気味です。

