高校の卒業式も終わり、社会人になるまでの春休み。



3月7日。





「んー…どーしよっかなあ…」





夜、私は悩んでいた。


親友の愛美から届いた1通のメール。




"明日の夜暇?男の子2人と遊ぶんやけど、かなみも一緒にきて〜(>_<)"




愛美(えみ)はノリがよくてスポーツ万能。

その上、小柄で顔もすっごい可愛くて、男の子からモテモテな可愛い女の子。



初めて出会った男子は、必ずといっていいほど、愛美の連絡先を知りたがる。





そんな愛美とは、走ればお互いの家まで30秒ほどで着くほどのご近所。



親友といっても、実際深く関わり始めたのは中3で同じクラスになってからだった。






愛美の誘いで、男の子と遊ぶことは何度かあったのだが、この時、正直あまり乗り気ではなかった。



ちょうど気分が憂鬱な時期だったからだ。






もちろんこの時、あたしに彼氏はいなかった。



去年の8月の夏休みに、掲示板で知り合った大阪のヤンキーくんと3日付き合って別れたっきり、彼氏は作れなかった。





今年の1月に、1番長く続いた元カレといろいろあったのだが…


どうしても好きにはなれなかった。
まあ続いたといっても4ヶ月だったが。








この時期はまだ教習に通っていて、誘われた日も教習だったために、正直めんどくさいかな、と思ったりもしていた。




でもこの時、行くことにしてよかったと今でもつくづく思う。







その誘われた日が、駿哉(しゅんや)と初めて出会った日だった。