その目、その声。





一度帰ったと思わせてから、意表をつくように再登場するもんだから心臓の高鳴りが半端じゃない。

顔面、と言うよりは頭の右側が千駿の胸板に押さえつけられてて。丁度右隣の席の武居くんと話してたし、つまり私が向き合っているのは武居くんだったりして。



「(…これ、どう収拾すればいいわけ?)」


目の前の彼は驚いた顔で千駿を見上げている。




「……触んなって、付き合ってないんだろ?」

「だから、何?」

「梅澤さん、迷惑がってるみたいだけど?」



そこ私にふりますか武居くん…!向かい合う彼はその言葉と同時、私へと視線を移じ大丈夫゙と言わんばかりに優しく微笑んだ。

抱き寄せられてるから(無理矢理頭だけ)千駿がどんな顔をしているか分からないから怖くなる。




「……。」

「……。」


何故か黙る千駿に、私の額からは冷や汗しか流れない。もう嫌私の人生ってろくな事無いわけ泣きたいんだけど。