その目、その声。





はあああああ、と盛大な溜め息を吐き出した私の頭の上に優しい手がのる。


「大丈夫?」

「武居くん…、」


私の顔を覗き込みながら席に着く武居くんに、緩く微笑を返すと。武居くんも癒しの笑顔を返してくれた。

悪魔との闘い後、こんな本物の綺麗な笑顔を見ると心の傷が治っていくようだ。



が。

どうやらここ最近の私の運勢は最悪らしい。朝の星座占いも12位を連発中だ!


横から出て来た腕が、私の頭を乱暴に掴み引き寄せた。びっくりなんて言葉だけじゃ言い表せられない。だって、あんたさっき教室から出て行ったじゃんか――――…




「真子に触んないでくれる?」

「…ッ、」


私の顔面はそいつの胸板へと押し付けられる。離れようとする度、後頭部へと回された手に力が加わり滑稽にもがくだけ。

何で?なんで?ナンデ?



「え、澄江?」

「……。」


そう、私を抱き寄せたのは紛れもなく千駿で。