その目、その声。





何が後でいいの…!?
ふーんって言った千駿の顔、最上級のスマイルだったよ!?

差し出されたプリントを受け取りながらも、その笑顔に怯える私を整った顔で見下ろす千駿は双眼を細め口角を綺麗に持ち上げる。


そして、椅子の後ろから私を間に入れるように机へと両手をつき―――――――…




「怯えないでよ、苛めたくなるじゃん。」


あろうことか、わざと甘い声で囁いてきた(しかも耳元。)

ぞくり、背中を駆け上がる痺れも同様に甘かった。千駿の計算された声は苦手だ。



その痺れは、私には毒。





「さ、さっさと帰れ…!」

「あっはは、また。」



ギロリと睨んではみても真っ赤な顔じゃ威力もなにもない。千駿は馬鹿にしたように笑うと指先をひらひらと振るようにして教室を出て行った。


絶対遊んでる!てか遊ばれたことが胸糞悪い。