「―――ッ、」
このタイミングで顔が赤くなるなんて意味不明だ。私の性格上、気付かれるなんて羞恥以外の何者でもないのだから。
千駿の刺すような視線から顔ごと逸ら逃げた私だったけど。
「…真子？どうしたの、顔赤いよ？」
――千駿の場合、気遣うなんて良心は持ち合わせていない。クスクスといやらしい微笑の音が聞こえちらりと見てみれば……
「(やっぱり…。)」
案の定、ニヤニヤとした笑みを浮かべた千駿が私をガン見していた。
確信犯的行為、こいつはもう正真正銘悪魔…！
「…見るな変態！」
「はあ？真子のくせに俺を侮辱するなんて何様だよ？」
「(お前が何様だ…！！)」
あの、誰でもいいんで助けて下さい。てか泣いてもいいですか。
