その目、その声。




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二人で登校して来て、靴箱で別れを告げた私と千駿。数秒後、振り返って見れば気怠げに階段を上がる後ろ姿。

その姿に何だか苛立ちを感じたから、指5本を開き突き出してみた。



「おはよう真子、誰に向かっで地獄へ落ちろ゙中?」

背後からかけられた声に吃驚して、肩を上げる。



思いっ切り振り返れば、小首を傾げ片手を上げる姿。


「な、波。おはよう。」



私の前まで歩み寄ったのは、友人の波。綺麗顔な彼女はその口端を持ち上げる。

そして。


「あ、了解。」

「え?」


そう呟いて踵を返して歩いて行ってしまった。
何なんだと今度は首を傾げる番。





「誰に地獄に落ちて欲しいの?」