「俺の着信無視するなんて、いい度胸だよね。」
一日、希月さんに言われた通り学校を休んだ私。休んでいる間はずっと希月さんの家にいた。怒らせたりしなければ、彼は優しい兄のような存在なのだ。
そして。
その翌日、玄関のドアを開けた私の視界を独占したのは胡散臭さ満点の綺麗すぎる笑顔を浮かべた千駿だった。
瞬間的、電話に出れなかった自分を恨むと同時に背中に悪寒が走った。
「かけ直してくるかと思えばスルーだしね。」
「……。」
「幼なじみが酷い女になって俺は悲しいよ真子?」
最早この男は悪魔である。じとりと睨み上げてはみるが、高い目線から無言の圧力をかけられ私が怯んでしまう。
……どうして私、一昨日希月さんの部屋で千駿に助けてほしいなんてこと思ったんだろうか。
こいつは、只の幼なじみであっであの日゙の傍観者。