その表示に選択を合わせ、着信履歴の一番上にある名前を見た瞬間―――――――…
何故か、無性に泣きたくなった。
゙澄江千駿゙
この腹立たしい、鬼畜な幼なじみを私は大嫌いな筈なのに。
この時、何故か私は千駿に会いたくて会いたくてたまらなくなった。
あいつなら、私を籠から出してくれるんじゃないかって思ってしまう。
『真子』
私を呼ぶ、千駿の甘くて私の中の芯を痺れさせるような声が。まるで捕食者まがいな鋭利な瞳の光が。
今は、胸を熱くさせてどうしようもない……。
希月さん、もし、
私が貴方の籠から逃げてしまった時
貴方はどうしますか?


