「…はい?」


チラリとその顔を見、返事をすれば。



「千駿くん、でっかくなったね。」


ふにゃりとした笑顔で唐突なことを言ってくるもんだから、肩の力が抜けてしまう。


そのままソファーまで歩み腰を下ろす。ギシリと上質な音がして沈むそれは毎度思うが高級感溢れている。




「…当たり前です。何年も経ってるんですから。」

「うん。相変わらずの美青年だったなー。」

「……、」



なあ真子ともう一度私の名を呼ぶ声に視線を向けて返事を返す。

希月さんは、口角を楽しげに歪め私の座るソファーへ近付くとドカッと隣に腰掛ける。そして、自身の指に私の髪を巻き付けると。



「でも、真子は俺から離れちゃダメだよ?」

「…、」

「もしそんなことしたら、軟禁するよ?」




にっこりと綺麗に微笑んだ希月さんに、全身で恐怖した。