「いきなり、なんですか。」

「んー、俺明日休みなんだよね。休むの嫌なら午後から早退でもいいよ?」


いやいやいや…!どうしてもう私が休む形になってるの?決定的な発言に不満をぶつけようと口を開きかけたが、やめた。


……だって、どうせ意味がないから。




「…分かりました。」


そう呟き希月さんから完璧に顔ごと逸らした私の耳に届くのは、甘い甘い、愛撫するような声。



「いい子だね。」

「、」

「真子のそういう所、大好きだよ?」

「…(私は、)」



貴方のそういう、人を手のひらの上で転がすようなねじ曲がった性格は嫌いですよ。

…なんて、口が裂けても言わないけど。



それからはお互いに沈黙を貫き通し、暫く走り車が停車したことで睡魔に持って行かれそうになっていた私の意識は覚醒する。