その目、その声。




瞬間。彼が怪訝そうにそれを見たのは気付いたが手を引っ込めることはしなかった。


「……何。」

「こんなに、いりません。」

「いいよ。俺が渡してるんだから。」

「でも、先月の分も残ってますし…」



私がそう呟くように言うと、希月さんは困ったように笑い。




「受け取らないなら、もっと増やす。」


私は驚愕な顔を浮かべ、直ぐに手を引っ込め胸の前へと持っていく。

首を横にぶんぶんと振る私を見、頷く希月さんを怖いと思った。この人は多分――――、



私の為なら何だってするんじゃないかとさえ思ってしまう。




茶封筒は分厚く、それを私の持つ手は毎度の如く震えてしまう。

中身は―――――――…




「20万なんて、多すぎます。」