その目、その声。




「会議、行こっか。」


その言葉で、今が放課後ということを思い出す。私は頷き自分の席へ戻ると机の横に掛けてある鞄をひっつかんだ。


「波、また明日。」



ばいばーい、と手を振る波の前。元私が座っていた席の後ろに立つ男はじっとこちらを見て。


「…まあ、今日はいっか。」


と。
意味の分からない言葉を吐息混じりに吐き出した千駿。そのまま、私の頭を乱雑に撫で横を通り過ぎて行ってしまった。



首を傾げてその後ろ姿を見つめていた私を急かすように、武居くんの声がもう一度私の名を呼んだ。ああ、ヤバいと駆け寄り、会議室へと向かって肩を並べ歩き出す。


「さっきの書類、目、とおしてくれた?」

「あ、うん。ザッと見だけど。」

「大丈夫。」



実に爽やかな会話だ。ここで千駿なら、穴があくほど読めよ阿呆とか一言言ってくる。