私の家族は私だけだけど。介入者もいるけど…。
一人、他人とも言えない存在がいる。その人は、毎月12日にやって来て一泊して帰るのだ。
朝、ガラステーブルの上に茶封筒だけを残して帰るのだけど……。
{まだ、一人でいるの?}
{強がりな子だね}
{じゃあね、真子ちゃん}
頭の中でフラッシュバックされるのは、紛れもなぐあの人゙で。
なんだか、酷く苛立たしかった。
゙あの人゙のああいう、全てを見透かしたような瞳の色とか、視界の先で小さくなっていく背中を見つめる自分は嫌いだ。
……憂鬱、だな。
会いたくない、あの人は苦手だから。
まあ、会うことは強制的だし。あの人は私に害を与えるような存在ではないけれど。


