――――この家…、結構綺麗なアパートの一部屋に一人で住むようになって早二年。

そう、あの日から、私の家族は私だけになった。つまり一人以上にはなれないのだ。


寂しいとか、そんな感情や胸の痛みも。感じなくなればどうってことない。ああ、でも…。



《介入者が私の心をたぶらかす。》





……千駿は、今もあの日を忘れられずにいるんだろうな。

あいつはただ、傍観者となってしまっただけなのに。私の人生に介入する必要なんて、ないのに。




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Pi.Pi.Pi.Pi~


パチリ。携帯の着信音だと思われる音で閉じていた瞼を持ち上げた。

カーディガンのポケットから携帯を取り出し、ディスプレイを確認してみれば。もう時刻は15時を回っていた。