その目、その声。




ピタリ、足を止め隣を歩く男を睨み上げると。

ん?なんて首を傾げ微笑みまで浮かべて返してきやがった。きもい。てかうざい。


「はあー…。何で、家の前にあんたがいんのよ。」



朝から嫌なものを見てしまった。そして会話まで交わしていることに嫌気がさす。

男は、口元に浮かべていた胡散臭い笑顔をより一層深く刻み込むと。



「゙真子゙を迎えに来たからに決まってんじゃん。」

「私、迎えに来てなんて頼んだ覚えはないんだけど。」

「当たり前でしよ。俺が今朝決めたんだから。」


男は、何でこんな朝出る時間早いわけ、と文句を垂れているが。別に私が頼んだわけでもないし、家で寝てればいいじゃないか。

私は、再度深く溜め息を吐き出すと男を見上げ。