「俺、真子のこと好きだから。」



勿論、幼なじみとしてじゃなく恋愛対象として。



付け足しのようにそう言った千駿の口元には、あの胡散臭い微笑みが浮かべられたままだけど。

目は、ふざけてるような色を含んではおらず。あくまで真剣に、私を映していた。



それに気付いた瞬間、胸の奥がキュウッと締め付けられるような感覚を覚えると同時。頬に熱を集めようと上昇する体温に、苛立ちを覚えた。


…あー、何だこれ。



妙に心臓が高鳴って、頭の回転が鈍る。旋律のように脳内を流れ占領するのは、先程の千駿の言葉ばかり。




「俺と付き合って。」

「っ…、」

「ずっと好き。真子しか、見てないんだよ。」



すっと、私の頬に触れた指はこの男には似合わない高体温のもの。