ジッと私を射抜くように見る千駿。
瞬きさえすることを忘れたように、絡まる視線に胸の芯が疼いた。
――――…のは、気のせいだ。絶対、気のせい。
「真子ー。」
「(…は…?)」
ニヒルな笑みを浮かべた千駿は、私の名を呼び手招きをしてきたのだ。
頭では事の経由を直ぐに理解することはできないのに。本能、とでも言えばいいのか。
それは直ぐに、私の身体へと悪寒のようなものを駆け巡らせた。
千駿の奴、ふざけてるのか…!?
゙拒否゙を伝えようと小さく首を横に振る私に、幼なじみはどんどん近寄って来て。私の手首を引っ張り上げた。
そして、自身の口元を私の耳へとそっと近付け囁く。
「手間取らせないでくれる?」
……はああああああああああ!!!?


