暫く、千駿の歩くスピードに必死で着いて行こうと。足を前へ前へ、意識を集中させる私。
そのまま数十分ほど歩かされ(私の場合小走りに近いが)到着したのは駅の噴水前。
ここに何の用事があるんだ……。
重たい溜め息を吐き出しながら、私は近くのベンチへと歩み寄り。深く腰掛けた。あー足痛いてか頭が痛い。
と。
チラリ、視線を上げた先。瞳が捉えた幼なじみは私を真っ直ぐに見つめていた。え、怖いんだけど…。
「澄江くん…!」
「(……あ、)」
そんなことを思った瞬間、幼なじみの名を呼ぶ甲高い声がして。それと共に私を見つめていた視線はゆるりと外されてしまった。
私も、同時に声がした方角へと顔ごと視線を飛ばした。
……あー…。
「(これは、あれだ。)」


