月曜日の朝は嫌いだ。
冷たいローファーに足を滑り込ませ肩からずれた紺色のセーターをかけ直す。行って来まーす…と、眠気を含む眼を伏せがちに呟き重たい扉を開けた。
「わあ、悲惨。」
「……。」
開口一番、顔を合わせてからの第一声がこれか。
くすりと馬鹿にしたように小さく微笑したその男を思いっきり睨みつけるが、眠気のせいで力無い。
盛大に溜め息を吐き出しそれはスルー。関わるとろくなことがないのは、嫌ってほど経験済み。
と。
男は存分に長い足を有効活用して、すぐに私の隣に並び歩調を合わせてきた。
「無視なんて、酷いんじゃない?」
「顔を合わせた私への第一声の方が酷いと思うんだけど。」
「あれは悲惨な顔面惜しげもなく広げてる幼なじみへの、愛ある挨拶だよ。」
挨拶があれか。
今すぐにこの男を撲殺したい気分だ。