女子の頭を鷲掴みにするような最低男は、勿論、(馬鹿)千駿である。

奴はさらにその手に力を加えてくるものだから、若干涙目になってしまう。


「酷いな真子。あれだけこの俺がお願いしてるのに、逃げようとするなんて土下座して詫びろよ。」

「(……最後の台詞は何…?)嫌だやっぱり帰らせて。」



すると、そう言った私の頭を鷲掴みにする手を離し。千駿は淡々と言の葉を吐き出した。




「俺に頼み事するなら、土下座。」

「……!?」


――――どうやら、こいつは何が何でも私の額と床をこんにちはさせたいらしい。誰がするか。


靴箱に体重を預け、私を見つめる千駿。その端正な顔に浮かぶ笑みが性格の悪さを物語っているようだ。



思いっきり怪訝な視線を送る私を軽く流した千駿は、ゆるりと微笑み。