武居くんとは、右隣の席の男子。生徒会の書記を担当していて、頭もよく私は彼に落ち着いた大人なイメージを持っている。
って。
今はそれどころじゃないんだった。一刻も早く、この場、この高校という敷地内から逃げ出さなければ!
゙悪魔゙の餌食となってしまうっ…!!!
教室を飛び出した私は、靴箱まで階段を駆け下りる。辺りを見回して、奴の姿が見当たらないことに安堵の声をもらし。
「よかった…。」
「何が、よかったの?」
ガッシリと頭を鷲掴みにされ、私の思考回路は一度フリーズ状態となる。
ま、まてまて待て。神出鬼没にも程があるぞ。
ゆっくりとした動作で首を捻り振り返る。そこにあるのは、性格の歪みが滲み出ているようなあの微笑。
「お急ぎで、どこ行くの?」
悪魔が見える…っ!!


