母が死んで直ぐ、父は女とともに出て行った。
『真子、お前のことは希月くんに任せてあるから。』
『お前がいたら、俺は幸せにはなれないんだよ。』
『大丈夫、お前なら一人暮らしだって出来るさ。』
『じゃあな、真子。』
最低な父親だと、思う。
そう別れを告げられて、1人父が借りていたアパートに引っ越したのは丁度高校に上がる頃だった。
そして、ハッキリと過去を振り返れば、やはり、悪いのは――――――――…
ぜんぶ、全部、ゼンブ
他ならぬ。私だ。
あの日、希月さんは
悪魔みたいに
冷徹な笑顔を浮かべて
私に言った。
『真子、お前は俺のモノだろう?』
いつ、彼の優しさは、歪んでしまったんでしょうか神様―――。


