その目、その声。




何この、「全員集合!」みたいな空気は。嬉しくないし楽しくないし、第一山瀬先輩がどうしてここにいるんだ。

彼がいれば、ろくなことにならないのは確実。




ニヤニヤと意地の悪い笑みを絶やさない山瀬先輩と静かに交差した視線。睨むように目を細めれば、更に愉しげにクックッと喉の奥で笑われた。



と。


「あっれー大智?」

「どもー。」


やけに気が抜けるような、ゆったりとした口調でそう誰かの名を呼んだのは私の隣に立つ希月さん。

そして、それに応えるようにこちらも気怠げな返事で片手を上げたのは山瀬先輩。






嗚呼、でもこれで確実に分かったことがある。



希月さんと山瀬先輩は、何らかの関係があるということ。お互いに、会話はそれ程交わしていなくとも親しい空気を作っている。




山瀬先輩は、何者だ。