その目、その声。




あきらかに顔をしかめ敵対心と言えばいいのか、鋭い視線で私の隣の男を見据える千駿。

当然、その視線の鋭さにも気付いているはずなのに。見られている当の本人は、わざとらしく、社交的な笑顔を浮かべ片手を上げた。




「あ。千駿くん久しぶりー。」

「ドーモ。」


この前までは普通だっただろう千駿の態度が、今現在一変してるのはきっと山瀬先輩絡みだと直ぐに分かった。



あの時、先輩が随分いろいろなことを言ってくれたから。千駿だって本気でキレかけてた。


千駿じゃ希月さんには勝てない、所詮私は籠の鳥、そんな言葉を向けられた千駿の気持ちは痛いほど分かる。




意味が分からない、そう思うよりも強く。

侮辱された。

その気持ちの方が激しく自身のプライドを傷つけただろう。


それは何のプライド?と聞かれれば、そう。




゙真子゙を守るという、プライドだ。

それを千駿は山瀬先輩、そして間接的にだが希月さんにも傷つけられた。