黙り込む私に、千駿は小さくごめんと呟くと私の頭を撫でた。

その手の温かさとか重量感が、胸を締め付ける。



私は、誰かが自分に手を差し伸べてくれるのを待っている。

それがいつになるか、はたまた訪れないかは分からないが期待くらいしていたい。


希月さんが嫌いなわけじゃない。感謝だってしてる。



でも、私と希月さんが寄り添っていくには愛が歪んで欠けている。


人の誰かを慕う思いなんてものは、複雑でいつ壊れてしまうか分からないもの。

無意識の内に、私が千駿に抱いているこのアツイ思いは―――――――――…






「(いったい、何だって言うんだ。)」



ただ、千駿の傍は

安心する。

それだけの筈なのに




――――この時の私はまだ、希月さんの思いの大きさがどれほどのものか知らずに。

゙助げなんて馬鹿げたことを考えていた。




やっぱり

籠の鳥は籠の鳥