その目、その声。




もしかして、私はもう希月さんのマインドコントロールにかかってしまっているんだろうか?


いや、考えたくない。でも希月さんにとっては恩を仇で返すのかと言いたいはず。



……私は、まだ自由に鳥籠の外で遊ばせて貰っているだけなのかもしれない。




「まーこ?」

「っ、あ……何?」


私の名を呼ぶ声に意識を浮上させれば、私の肩から頭を離し顔を覗き込んでくる千駿の心配そうな目。



どうかしたの?と微笑んでくれる千駿の笑みに私は救われている。



意地悪だけど、千駿は私の変化には真っ先に気付き心配してくれる。それは、昔から変わらない。


特に、゙あの日゙からはそれが増したような気がする。




「ぼーっとしてた。大丈夫?」

「うん。へーき。」

「なら、いいけど。」



小さく笑って、頷いて見せた私をまだ探るような目で見つめる千駿に何故か泣きたくなる。