それに対してか、小さく舌打ちしていた千駿に思わず吹き出してしまえば恨めしげな目が私を睨んだ。


少しにしても、何時もより近くで交わる視線にドキリと胸が跳ねた。

その感覚には慣れていないから、苦手。瞬時に視線を逸らした私の肩を抱くようにして引き寄せた千駿とモニターの中で目が合う。




「そんな仏頂面な幼なじみ、俺、イヤなんだけど。」

「(……腹立つ。)」



睨み上げたところで、機械らしい女性の声がカウントダウンを始める。


『3.2.1…』





「…馬鹿千駿…っ!」

「っ、おい…!?」


――――パシャリ



その音がする瞬間、私はなんとも幼稚な反抗心で千駿の髪をぐしゃぐしゃと手で乱してやった。


間を置いてモニターに映し出された画像は、予想通りのもの。



その後は、撮影をする度にお互いが悪戯を仕掛け合い。

まともに撮れたのは最後の一枚だけという始末。