あれ、なんか視界が揺れるんだけど。なにこれ悔し泣き?あーマジで千駿お前いつか覚えてろ。


盛大に溜め息を吐いて見せた私に、千駿は微細にだが首に回す腕の力を強めた。



さらに絞首刑に近い現状に色気もないバシバシと腕を叩けば、千駿はまたさらに腕の力を強めたかと思えば。

甘い吐息混じりの声音で囁いてきた。




「次の授業、サボろっか?」

「……。」

「サボるよな?おい。」

「……。」

「返事しろ真子。」

「………性悪二重人格者め。」

「よしそんなに真子は俺に苛められたいか。」

「ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい…」




―――こんなやりとりが、馬鹿みたいだけど1番安心していたりするんだ。