盛大に溜め息を吐き出し、千駿から視線を逸らすと。
千駿もそれに伴って掴んでいた手首を離した。緊張から解かれ安心したような、何だか寂しいような複雑な感情が襲ってきた。
と。
「真子。」
「…ッ痛…!?」
いきなり両頬を挟まれるようにして顔を無理矢理上げさせられた。
千駿の瞳に、私の困惑した顔が映っている。
「…なにすんのよ。」
「いや、何か苛ついたからつい。」
「…うざ。」
「ん?何だって?グラウンド100周全力疾走して来たい?」
「そんなこと言ってない!」
ああもう、コイツと話していると本気で禿げそうだ。もしそうなったらコイツの髪は私が毟ってやるドSめ。
鋭く目を細めて睨んではみるが、途端千駿は吹き出し。
「糸目。」
「、」
「ぶっさいくになるから、止めなよ。」
ああ、ごめんもう不細工か、と補足して嘲笑った千駿。
殺してやろうか。


