ちょっと待て。私は今千駿に何をされてる?

考える必要のないことを考えていると、ゆっくりと離れていく距離。



突然のことに驚きのあまり固まって目を見開いてその顔を見上げる。


どういうことだ、この状況は。私は勘違いなんてこと有り得る筈なく千駿にキスされた。




口をパクパクと動かすだけで声を発することの出来ない私を、冷静に見下ろした千駿は。


あろう事か自身の下唇をペロリと舐めた。



瞬間、私の頬はボッと火がついたように赤くなるのが自分でも分かる。なんて官能的、扇情的なキスや仕草。



「ち、ちはや…!!」



やっとのことで声にすることが出来た名前。




千駿はと言うと。飄々とした態度を崩すことなく私を見下ろし一言。



「真子が変なこと言ってるから、俺の気持ち再認識させてあげようと思って。」

「、」

「後はー…。頼るなら、俺がいいってアピールみたいな感じ。」