その目、その声。




「ち、千駿、私本当に平気だから…!」

「もうそれはどっちでもいい。俺が山瀬殴んないと気が治まらないんだよ。」

「どっちでもいい嘘じゃんか!」

「五月蠅いな。黙って見てなよ。」



見れない見れない見れない…!そんな、恐ろしい殺人まがいな現場に立ち会うなんて御免だ。


踵を返して歩き出そうとする千駿の腕を掴み引き留める。



「どこ行く気何する気!?」

「教室だよ。」

「う、うう嘘だ!!!」

「なーに真子。俺が心配なの?」




ニヤリと笑った千駿。いや、お前よりどちらかと言えばこれから命の危機に曝されるかもしれない山瀬先輩の方が心配になってくる。


ニコニコとさっきから笑顔は絶えない千駿だけど、長年この悪魔と一緒にいるわけじゃない。




コイツは今、明らかにキレている。

殺気だった目がその証拠だ。