言葉と同時に千駿の眉根が一瞬寄った気がしたが、安心したような微笑を浮かべて「そうなんだ」なんて言っているから気のせいだろう。
「取り敢えずさあ。」
「うん。」
「山瀬の腕一本だけでも再起不能にして来なきゃね。」
……あ、あれ。
今のって幻聴？幻聴だよねそうとしか思いたくないあまりにも恐ろしすぎて。
が。
どうやら幻聴ではないらしく。
「ああそうだ、真子に選択肢あげるよ。」
「せ、選択肢…？」
やけに強調された千駿の言葉を復唱すれば。目をギラつかせてそれは綺麗に微笑んだ。
「上半身か、下半身やるならドッチがいい？」
完璧すぎるスマイル。
凄いさらりと言ったけど、でも今の「やる」って絶対「殺る」って意味だよね。
てかこの人行かせたら絶対山瀬先輩ただじゃすまないよね。
