その目、その声。




「…は?」

「あの子鋭そうだから。ねえ、真子ちゃん。」

「……、」

「あれ?泣いてるの?駄目じゃん泣き顔なんて簡単に見せたりしたら。希月だけじゃなく澄江くんにも怒られちゃうよー?」

「っ、」

「ま、君が1番従順なのは希月だしね。アイツ、怒ると怖いもんねー。」



叔父と姪じゃなくなっただけに、束縛心が半端じゃないから。



そう、けたけたと笑って言った山瀬先輩。何がオカシイ、何も面白くないしこれっぽっちも愉しくはない。


ギッと困惑で揺れる瞳を隠すように力強く睨み付ければ、山瀬先輩はおどけたように肩を上げて見せた。



「睨まないでよ。」



ニヤリと笑った山瀬先輩は、気怠げな様子などは感じられず。ただただ、今は私というターゲットをいたぶって楽しんでいる。


この人、いや、イヤ、嫌。




どこまで、

私と希月さんについて知っているの?