簡単には解せない山瀬先輩の言葉は、私のちんけな脳ではキャパシティーオーバーだ。
システムエラー。
故障と警告を知らせるべく慌ただしい警報が鳴り響く。
「な、んで…っ、」
思わずもれてしまった私の声は、明らかに動揺して震えている。
麺を啜っていた山瀬先輩は、横目で私を捉えると箸を置きクスリと妖しく微笑んだ。
「さて、ナゼでしょう。」
この人は、何者?
呼吸法すら忘れてしまうくらい、今の私は混乱しまくっていた。息の吸い方も吐き方も、今まで自分がどうやっていたのか分からない。
息苦しさからか、はたまたこのどうしようもない恐怖からか。私の目尻に生理的な涙が溜まる。
情けない、引っ込め馬鹿。何で今泣く必要があるんだ。
歯を噛みしめきゅっと唇を真一文字に結べば。山瀬先輩はどこか愉しげに言の葉を紡ぐ。
「澄江くんもいたし、バレてたと思った。」


