ゆったりと怠惰な動きで私へと向けられる視線はドコか鋭く、怖いと感じた。



「…なに。」

「あっ、と…、麺伸びちゃいますよ？」



うん。私はただそれが言いたかっただけなのだ。山瀬先輩のトレーの上にのるのは白い湯気を昇らせているラーメン。


一向に箸をつける様子のない山瀬先輩だったが、私の言葉に「あー…」と視線をトレーへと落とし。




「…そうじゃん俺、ラーメン買ってたんじゃん。」

「……。」

「また食わずに終わるとこだった。危ね。」



………あれ、この人ってちょっと痛い人なのカナ？

ついさっき自分が買ったラーメンの存在忘れてるってどうなの。貴方昼食とりにここ来たんじゃないの。頭、危なくない？やばくない？




と。

失礼なことを好き勝手言いたい放題(頭の中で)やっていれば。


不意に山瀬先輩の視線がまた私へと戻ってくる。