「……何か?」


どうして、私が実行委員長に今確認するよう名前を呼ばれたのだろうか。



じっ、とトレーを片手に私を見下ろす山瀬先輩。青色のネクタイはだらしなく緩み、着崩された制服からはとても実行委員長という任を受け持つような人種には思えない。


なんだろう、やる気、とかかな。



と。

私が微細に眉を寄せると同時、山瀬先輩は私の隣の空席を指差し。



「ここ、いい?」

「…あ、はいどうぞ…。」



ぺこりと頭を下げそう言う私。山瀬先輩は「どーも」と何とも心のこもっていないお礼を呟き私の隣の席に腰掛けた。



そこで、一つ。


「(…席、私の隣じゃなくてもまだ他にも空いてるんだけど…。)」



チラリ、盗み見た山瀬先輩は眠そうに欠伸をしてぼーっとどこか遠くを見つめている。

私は、余計なお世話かもしれないが。一応言ってみた方がいいかな、と思い山瀬先輩の名を呼ぶ。