「蛍?」 『……』 少しの間、その透けた手を 握ったり開いたりを繰り返すと 次第にもとに戻っていった。 「蛍、大丈夫か?」 『…ごめん。ちょっと寝ぼけてたみたい 大丈夫だよ…行こう。』 …嘘をついた…… 何度目の嘘だろう… 嘘をつくのが辛い。 悲しい…苦しい… だけど、 本当のことを知られるのはもっと もっと嫌。