初恋プーサン*甘いね、唇


誰ともなしにつぶやいた瞬間、火傷しそうな熱い息が口に溜まった。



逃がすように吐き出すと、視界がぶわっと水浸しになり、鼻が詰まってくる。







(堪えてたんだよね、ずっと)





自分に自分で同情しながらもらい泣きをして、また熱い息が溜まり、私はバカみたいに泣き出した。





「じゃあ」って何よ。




 

春から海外って、なんなのよ。






口に出せない文句は、涙に化学変化して、スカートを濡らした――。