片瀬雛子、雌。 生後間もないヒヨコ。 15歳当時の私をカテゴライズすると、おおむねこんな感じだった。 放課後に、公園を抜けて家路を急いでいるとき、同じ高校の2つ年上の先輩に、突然一目惚れをしたから。 まるで「刷りこみ現象」のように彼の姿を目で追うようになったのは、私の頭にヒヨコの遺伝子が迷いこんだゆえのことだと思う。 ――だから、ヒヨコ。