「ばっかにしないで!その前に逃げるっつーの!」
「へーそうか。俺、一応体育教師やってんのな」
つまりお前なんかに負けねぇよ。
安葉は慣れた手つきでタバコに火をつけた。
「………くたばれ!」
懸命に吐き出した悪口を安葉は真顔で受け止めた。
「あっそう?俺生きるし」
「………ばらしてやるし!あんたがそんな教師だって!」
「誰が信じんの?」
………え?
次の言葉が出てこなかった。
「あんた、見てたらわかるけどクラスメイトと距離置いてるでしょ?そんなにいい友達いんの」
ばっさりとオブラートどころかティッシュにすら包まない言葉に、脳内が悲鳴を上げた。


