他人なんていらない。 私ひとりならどれだけ楽なのだろう。 いっそここからフェンスをよじ登り、永遠に一人の世界へと旅立ってもいいかもしれない。 言うだけでやる気はないのだが。 根性のない私を嘲けるように強い風が吹いた。 その風に乗って 「あれ?先客か」 後ろから間の抜けた声がやってきた。