「ふざけっ………!」
「はい。問3以外は全部丸ですね」
私の懇願をさらりとスルーし、赤チョークをつまみながら私が解くはずだった問3以外のすべてに大きな丸をつけた。
「うわすげぇな安葉………」
「あの不良の沢村相手によぉ………」
ざわざわと背後から私と同じくらい驚愕しているつぶやきが聞こえた。
おいてめぇ。
私は不良じゃないって!
「………胸糞悪い!帰る!」
と、怒りを机に思いっきりぶつけた。
さすがに教室は静寂色に染まった。
安葉だけはどこか吹く風の顔で、じぃっとふつふつ沸騰している私を眺める。


