屋上にはだれもいなかったのは当然だった。 今は昼の1時。 まっとうな生徒なら真面目にシャーペンを白いノートに走らせている。 私はまっとうではないから走らせていないだけだ。 足は無意識のうちにフェンスへと向けられる。 指を錆びついて茶色に変色しかけているフェンスにかけ、地を見ず、空を見上げた。 青い背景に反抗するように真っ白な雲がところどころに浮かんでいる。 果てしない空を見上げていると、この世界に自分ひとりだけになったのではないか、と思えてくる。 それでもいいのかもしれない。