ブラウン・アイズ

―放課後…(深木クンSIDE)



「なにも居残りにしなくたってね~…」


シャーペンをくるっくる回しながら、桜井が言う。




「な。普通明日からとかだよな」


カーテンを閉めながら俺は応える。




「何?このスペース??

 ・・・H.Rの感想に10行いるの?」


机につっぷす桜井。



俺はほのぼのと笑った。



「なぁ、おまえさ……」


「ん~?何~?」





「~~……何でもない」


俺は急いでごまかした。



あぶないあぶない・・・

口が勝手に。




「?…出来たよ~」



「・・・早いなっ」

まだ15分ぐらいしかたってないけど…




「いーのいーの!じゃ、出してくるね」



桜井は笑って、椅子から立ち上がった。


「あ、いいよ。俺出してくる」



「いいの?ありがと」



桜井はまた笑って、俺に日誌を差し出した。

桜井は、よく笑う。笑顔がかわいいと思う。



俺は日誌を受け取ると、教室を出た。



ちらっと見た日誌のページには、

桜井の綺麗な字で、どの欄もいっぱいに埋まっていた。