ブラウン・アイズ

「えーっと、日誌のことなんだが」




―帰りのH.Rで。

担任の先生が渋い顔をして切り出す。




「日誌は見開きで、2ページある。


 今までは1ページだったが・・・



 今日から2ページに増やしたいと思う。」




2ページ!?今日から増やすって………







みんなが一斉にしかめ面になった。




「1ページ目には今までどおり書いてくれていい。


 2ページ目には、授業の内容や自分が感じた感想を

 ぎっしり欄が埋まるまで書いてくれ。」






担任は、申し訳なさそうに付け足した。



「…学年で決まったことなんでね・・・」




っぶーーーーー!


(みんな大ブーイング)




「マジありえねぇ~!」


お調子者の羽田が腕を突き出して、叫ぶ。




(ブーイング、いつまでも続く―…)







―そして、ブーイングがやっとおさまった頃。

「すまないが、深木と桜井は居残りして書いてくれ…」



担任の、その一言で、クラスは静まりかえった。






「っひゅーーーぅ!」


男子たちの冷やかし声が、教室中を揺るがした。


うそ・・・うそでしょ・・・・