ブラウン・アイズ

開け放したドアから

かすかに桜の花の香りが漂ってくる。




―4/14、木曜日、朝のH.R

「今日の日直は~・・・」



担任の上田先生が、名簿を覗き込む。




「桜井!……坂上!」


「!」



そうだった・・・!


『さ』くらい、『さ』かがみ。





「日誌取りに来い~」



坂上が立ち上がって、日誌を受け取った。





もうちょっと・・・


遠くから伺おうと思ったんだけどな…



それが…いきなりねー……

心の準備が……ちょっとねー…




黒板の横に張ってある紙を見る。

【日直の仕事】




「1、授業の感想を先生に聞く。」

美夢の目線をたどって、郁が小声で言う。



「2、教室の消灯」

美夢がそれに応えて言う。




「3、H.Rで日誌の発表」


郁ちゃんがにんやりして言う。




「4……」



そこまで言って、美夢は口をつぐんだ。




「4、各班の掃除の点検」


郁ちゃんが厳かに(??)告げた。