あれは、あたしがまだ6歳の時。




おばあちゃんは突然言った。


「どんなに頑張ってもどうしようもないことがあるよ。」



まだちっちゃくて困惑してた私を見ておばあちゃんは、

「・・・・分かるかい?」と、付け足した。




あたしは全く意味がわからなかった。


分けのわからないおばあちゃんだな…と思っただけ。







今なら分かる。………不可能。


不可能かぁ。おばあちゃんは何を言いたかったんだろう・





「美夢!」

突然、郁ちゃんの声が頭に響いた。



「え、郁ちゃん、ごめん」





「ほら、美夢。次ラリー。がんばれ♪」



そう言って郁ちゃんはあたしをくるりと回して、

・・・ラリーの位置に押し出してくれた。



「あ、ありがとう!」

私はトコトコ歩き出した。




……あ、坂上さんとペアだ。



やったぁ。





坂上っていうのが私の大好きな人の名前。



テニススクールで一緒の大学一年生。


6歳も年上で・・・私は中学生だけど。



好きな気持ちは止められるわけない…


でも。

この恋に溺れたってどうしようもない。


分かってるんだ…