貧乏お嬢様と執事君!



「………は?」


予想だにしなかった質問に、鷹司は疑問視を投げかけた。


「僕としてはやはりハネムーンなんだが。君が外国は嫌いと言うなら国内でもいい。しかし北海道や沖縄は御免こうむりたいんだ。僕は寒いのも熱いのも苦手でね。それ以外の観光名所はあまり僕が好きではない。だからハワイにでも行かないかい?アメリカでもスイスでもパリでもいつ何時君の好きなところへいってもぼくは一向に構いはしないが」


「何の話をしているのかしら」


あっけにとられている鷹司の代わりに、椿野はお嬢様らしからぬ行為をとった。


鷹司の机に両手を置き、その両腕の力で体重を支え、アホの腹部へ蹴りを放ったのだ。


見事にクリーンヒットし、井筒は軽く教室の隅まで吹っ飛んだ。


「ぐへぇ」


カエルが潰れたような音を出し、床に崩れ落ちた。


錯覚か、頭の上に黄色い輪が見える。